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スタッフの日常~万葉集~|BinO磐田|

2024.02.02
カテゴリー :日々のこと
スタッフの日常~万葉集~|BinO磐田|

 

みなさんは自分は周りの人を

どれくらい察していると思いますか?

日本は察する文化

2010年代 私が学生だったころ

流行語に 「空気を読む」

という言葉が生まれました

 

今も定着しているように感じます

 

空気を読むこと

察して先を読んで事前に動くこと

そういったことが日本の文化や風潮としてあると思います

万葉集の中に
奈良時代の人も現代人と同じように
人を察していたことがわかる句があります

 

風早の 三穂の浦みを漕ぐ舟の
舟人騒く 波立つらしも

作者未明

【現代語訳】

風が強く吹いている三保の浦から出発した舟人が騒いでいる
きっと波が立っているのだろう

 

一見なんでもないことのように思えますが
時代背景を考えると
実はよく人を見ている句なんです

舟人は漁師のこと

多少天候が悪くても
生活のために
漁に出たのでしょう

この時代は気象予報なんてないので
漁師は自分たちで天候を読むしかありません

読みがはずれたのでしょうか

海辺でぬくぬく風景を見ている人からは
遠い沖で波が立っているかわかりません

しかし、
作者は舟の中、騒ぐ漁師たちをしっかり見ています

慌てる様子の漁師たちを見て
どうしてか推測し

ああ波が立っているんだな

と、
著者の目からははっきり見えない情景を
理解している様子がわかります

日本人って空気を読むのが得意なんだな~
とあらためて思います

(かくいう私は全然得意ではありませんが・・・)

空気を読むことは大切ですが
言わないとわからないこともたくさんあります

自分の中で当たり前にしていることは
他の人にとってはちっとも当たり前ではない
ということも多いです

空気を読む力は
言葉にして伝える力があると
より効果的に発揮できるのでは?
とも思います

伝えることも察することも
どちらも大切

そんなことを思う今日この頃でした